心底、不思議。~不機嫌カナタとゴキゲンみーちゃん~
聡子の言葉の意味が分からない。





僕が着ているのは、きちんとアイロンをかけた白いシャツ、グレーのセーター、黒いスラックス、紺のピーコート。





………いたって良識的な服装をしているつもりなんだけど。






「………なんか問題ある?」






僕が怪訝な顔で訊ねると、聡子が「大ありだよ!」と叫んだ。







「だって、地味すぎー!

せっかく顔イイんだからさー、ちょっとくらいオシャレに気ぃつかいなよ!」







聡子は背伸びをして僕の肩に手を乗せ、姿見の前に僕を押し出した。





そこに映った僕は、やっぱり、特になんの問題点も見当たらない。







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