心底、不思議。~不機嫌カナタとゴキゲンみーちゃん~
あたしは周りをぐるりと見渡して、観覧車に目をつけた。






「カナタカナタ、観覧車あるよ!

あれなら普段見れない景色も見れるし、無駄ってわけじゃないでしょ?」






それにほら、観覧車って、いかにもデートっぽくて、いい感じじゃない?




カナタの性格的にも、ジェットコースターよりも断然、ゆったりできる観覧車のほうが好きそう………






「いやだよ、観覧車なんて」






あたしの予想と期待に反して、カナタは静かに首を横に振った。






「別に、高いところから景色を見たいなら、どこかの高層ビルか展望台にでも登ればいい話でしょ。


それなのにわざわざ、ぐるぐる回って落ち着きのない鉄のカゴなんかに乗って景色を見るなんて、意味不明だよ。


あんなの何が楽しいだか、心底、不思議だよね」







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