心底、不思議。~不機嫌カナタとゴキゲンみーちゃん~
他のアトラクションと違い、コーヒーカップは不人気なようで、半分以上のカップが空いていた。






無言で無表情なカナタの手を引き、ぐるぐる回る台座に上がると、あたしは手近なカップに乗り込んだ。






向かい合ってベンチに座り、あたしたちは無言で見つめ合う。






「……………」





「……………」







ーーーなにこれ。




まったく、盛り上がりに欠けるんですけど。






そりゃあ、カナタが遊園地できゃっきゃするなんて思ってもなかったけど、そこまで露骨につまらなそうな顔しなくていーじゃん!






あたしはだんだん腹が立ってきて、カップの真ん中に付いているハンドルをがしっとつかんだ。






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