心底、不思議。~不機嫌カナタとゴキゲンみーちゃん~
「やっぱり、お化け屋敷は行っときたいんだよねー」





「……………」






カナタは何も言わず、ゆっくりと手を上げて、考え込むように口許を押さえた。






「……………」





「…………カナタ?」






いつも減らず口ばかり叩いている毒舌カナタが黙っているということは。






「あ、行く気になってくれたの?

よかったー、やっぱ遊園地といったらお化け屋敷だもんね!」






カナタの無言を暗黙の了解だと解釈し、あたしはカナタの腕をひっぱってお化け屋敷の列に並んだ。





カナタはやっぱり口許を押さえたまま、黙ってあたしについて来たので、あたしの予想通り、アトラクションに慣れてきてくれたみたい。







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