【短編】恋愛サプリメント
椅子を引く音や

資料をめくる音


全ての音が、あたしを変に意識させる。


そのときだった。

ガラッ―――

「小室せんせぇい♡」


甘ったるい声が、あたしの耳に入る。

違うクラスの女子だ。


さっきも言ったと思うが、小室先生は女子に人気は高い。

そのため、ほかの女子が小室先生にデレデレするのを見なくちゃいけない。

付き合ってるわけでもないし、口を出すことは出来ない。

でも、やっぱり見るのは辛い。

「どうした?」

「ねぇ、先生!今日一緒に帰らない??」

「帰らない」

即答する先生。

こんな会話、聞きたくない。
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