【短編】恋愛サプリメント
「気にするな」

「何が??」

「あ、いや、さっきの会話」

「別に気にしてませんよ。それに、先生がそんなこと言わなくていいじゃないですか」


だって、先生は悪くないし。

別に、あたしたち付き合ってるわけでもない。

『気にするな』って言う先生が、少し不思議に思った。

「そうだな」

「はは。あたし、教室に戻りますね」

「もう大丈夫なのか?」

「はい。ご迷惑おかけしました」

そう言って、あたしは保健室を出て行った。

本当は、もっといたかった。

でも、

あんな会話聞いちゃ、ちゃんとしてられない。

気にしてないなんて、嘘。

本当は、先生が言ったあの言葉を、すごく気にしてる。
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