僕らのルール
何飲もうかなあ。


一応、いつ連絡がきてもいいように、携帯電話を机に置きつつメニューを広げる。

ここのお店のオリジナルドリンクは、名前が独創的な上に何の説明もついていないから面白いんだ。
たとえば、この前飲んだのはリリー。実際はマシュマロの乗ったココアだったのだけど、名前から全く連想できない飲物に毎回楽しませてもらっていたりする。


んー・・・サンフラワーも気になるけど、ルナも捨てがたい。



「あっはは、メニュー見すぎじゃね?」


「へっ?」

声がした方を見る。猫っ毛で柔らかそうな色素の薄い髪、175cmはありそうな長身、悪戯が好きそうなくりくりとした目。そんな要素をもつ彼が向かいにある椅子を引いて座ろうとしていた。


座る前におろした、少し重そうな鞄はギターが入っていることが優に想像できるものだった。






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