僕らのルール
「あ、これ難しい・・・でも一回やり方覚えると、できるようになる問題ってやつかも」

「そうなん?」

「うん、かずくん飲み込み早いから大丈夫」

でね、と言いながらかずくんのノートに解き方を書きつつ説明をし始める。

誰かにこうやって勉強を教えるのって案外面白いものだなあと思ったりしていた。
私には兄がいるから、教えてもらうことはあってもその逆はなかったし。

「ごめん、説明うまくないけどわかったかな?」

かずくんのノートに解き方を書きつつ、説明したあとかずくんの顔色をうかがう。

やっぱりわかりづらかったかな・・・


そんな心配をしていると、かずくんが急にノートから顔を上げる。

「すげー!いずみ、天才!感動した。こんな問題わかるなんて初めてなんだけど。自分も天才に思えてきた」

「天才なんじゃない?かずくんは頭の回転早いと思うもん」


< 58 / 112 >

この作品をシェア

pagetop