僕らのルール
そういうと、彼は笑顔になる。

・・・私は、どうやらこの笑顔に弱いらしい。
さっきからきゅんってしてる気がするんだもん。

かずくんは、笑い上戸だから余計にたちが悪い。
あってから何度も何度も惜しみなく笑顔見せてくるし。


こんな風に意識してるのは私だけなんだろうし。
彼にとって私はきっと、ちょっと珍しい年上の人ってだけで時間が経って慣れてきたらなんてことなくなるのかな。



「泉?明日は?会える?」


少し首を傾げて聞く姿が、飼い主に忠実な犬に見えてしょうがなかった。


明日、よね。明日も相変わらず課題があるけど今日みたいに勉強できたら会えなくもない。
それを口にするとかずくんは嬉しそうに口元をゆるめる。



「じゃあ、明日もここで勉強しよ?」

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