僕らのルール
「じゃあ、今日は帰るか。明日もこの時間で良い?」

「うん、平気だよ」

「おっけ」

そういうと、伝票をもって彼は立ち上がった。

「先に会計しとく。泉はゆっくりきて」


「え、だからそういうのよくないってば。今日は払う」

「だめ。俺、こういうのやってみたかったから、気が済むまでさせてよ」


こういうの、ってどういうのだろう。なんでもかんでもおごることを指してるのだろうか。


何も答えないでいると、いつも間にか彼は会計に向かっていた。仕方なく私は急いで出る支度をする。勉強道具が入っている鞄は相変わらず大きいし、重たい。
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