僕らのルール
「今日も、ごちそうさまでした。明日は払わせてください」

お店を出てもお金を受け取ってくれない彼に話しかける。
私、年上なのに。彼は学生なのに。

お店から出ると、最寄りの駅までゆっくり歩き出す。


「いいって。俺がしたくてしてるんだから泉は気にすることないよ。でも泉ってこういうの慣れてそうなのにそうでもないんだ?」

「こういうのって?」

「おごられるとか、そういうの」

「え!慣れてるわけないし!私、どんな風に見えるの?」


なんか、全然嬉しくない偏見だ。

「いや、別にけなしてるつもりじゃないんだけど。泉は守られてるイメージだからさ。それに周りは泉を放っておかないんかなって」


「そんなキャラじゃないし。慣れてもないですー」
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