好きみたいです××さん
ピンポ-ン
「お兄さん、居ますか?」
いても立っても居られなくなった私は、隣の家のドアのインターホンを押していた。
もしかしたら、お兄さんも心細く感じているかもしれない、
なんて自分に都合の良い考えかもしれないけれど、
それでも、私はお兄さんに会いたかった。
程なくガチャリと音がして、ドアがゆっくり開いた。
「…あれ?女子高生?」
出てきたお兄さんは目を丸くして言った。
「こんな時間にどうしたの?」
「今日、親が出かけてて…それで停電になったから…心細くって…。」
そう口に出してみると、なんだか突然、自分の言ってることが凄く子供っぽいことのような気がした。
お兄さんはそっかそっかと頷くと、
「とりあえず中に入って、そこに居ると風邪引いちゃうから。」
と言って私を部屋の中に迎え入れてくれた。
.