好きみたいです××さん



お皿に乗っていたのは、デミグラスソースがたっぷりかかったハンバーグだった。



白い湯気をあげているその美味しそうなハンバーグに、私は思わず生唾を飲み込んだ。



「これ、お兄さんが作ったんですか?」



「そうだよ。はい、これ女子高生の分ね。」



大きい方のハンバーグを目の前に置かれ、ナイフとフォークを手渡される。



カップ麺の私とハンバーグのお兄さん。



お兄さんに女子力で負けるとは思わなかった。



一口分に切って口に入れる。



「…美味しい!」



「本当!?」



私はうんうんと勢いよく頷く。



こんなに美味しいハンバーグは食べたことがないかもしれない。



「家族以外の人に食べてもらうのは初めてだから、緊張してたんだ。

口にあったなら良かった。」



ホッとした顔でお兄さんが笑う。



ああ、こういう顔にキュンキュンさせられちゃうんだ。



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