好きみたいです××さん



ハンバーグを頬張りながら、私はお兄さんの部屋を観察した。



この雰囲気だと、女っ気はなさそうだ。



まあ、まず一度もお兄さんが女の人を連れて歩いているのも見たことないしね。



あと、お兄さんは男の人にしたら綺麗好きな方かもしれない。



暗いから細かいことは分からないけど、

見た感じ何か物が落ちてるとかそういうのはないし、

テーブルもピカピカに磨かれている。



家族以外に手作りを食べて貰うのは初めてだって言ってたし、私ってちょっと特別な立ち位置なのかも。



そんなことを考えていたせいで、私の口角は自然と上がった。



ニマニマしている私にお兄さんは少し不思議そうな顔で、

「女子高生、何か嬉しいことでもあった?」

なんて聞いてきた。



当のお兄さんが私を嬉しくさせているんだけど、

そんなこと言えたもんじゃないので黙っておく。



「お兄さんのハンバーグが美味しくって。」



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