好きみたいです××さん



まだ一緒に居たいな。



そう思って視線を落としていた私に黒い影がかかった。



ふと視線を上げると私を上から見下ろすお兄さんと視線がぶつかる。



「やっぱり、今日の女子高生、ちょっと変。」



いつもより少し低い落ち着いたお兄さんの声。



「何かあったなら相談のるよ…?」



心配そうな瞳にい抜かれた錯覚に陥った。



私は距離を取るように立ち上がると、慌てて「大丈夫です。」と少し早口で答えた。



心臓がドキドキと苦しかった。



「こんな長い間お邪魔しちゃって、すみません。

ご迷惑おかけして、本当。

もう電気もついたし、そろそろ帰りますね。」



そうまくし立てるように言うと小さくお辞儀をして、その場を立ち去ろうとした。



「女子高生…!」



お兄さんが私を呼んで私の腕を掴む。



「別に迷惑じゃないし、僕も君が来てくれてとても嬉しかったんだ。」



お兄さんの表情は見えない。



でも、声色で少し焦っているようなのは感じ取れた。



「だからさ、いつだって遊びにおいでよ。

女子高生さえ嫌じゃなければ、いつだって歓迎するから、ね?」



そんな優しい言葉をかけられて、この気持ちに罪悪感さえ感じた。



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