ピンクの携帯を拾う日
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ピンクの携帯を拾う日
コウタはテレビのスイッチを切った。
寝るかぁ~とつぶやいて、大あくびをひとつして、ベッドに横になった。
その時、着メロが響いた。
相手も確認せずに、反射的に受けていた。
「こんばんは~」
聴き覚えのない女の声?同世代?誰?
「はい?」
「こんな時間に、ごめんなさい。わたしエマっていいます」
「あの、間違えてかけてません?」
「えっ?コウタさんですよね?」
「そうです。アキヤマコウタです」
誰だろう?
「よかった。間違っちゃったか思った。焦っちゃったぁ~」
「あの、どちらのエマさんですか?」
コウタはたずねた。
「わたしは恋のキュービッドのエマです!」
恋のキューピッド???
コウタは頭の中でその言葉を何回か繰り返した・・・・
「突然そんなこと云われも、信じられないのもごもっともですが、それで良いです。もう少し、わたしの話をきいて下さい」
「はぁ・・・」
「コウタさん、今、あなたのことをとても気に入っていて、お付き合いしたいと考えている女性が2名います。わたしはそのどちらかの女性と、あなたの仲を取り持つのが今回の使命です」
コウタは、半信半疑で聴いていた。
これって夢?
だとしても・・・面白い!続きが聴いてみたい!
「コウタさん、あなたは最近出逢ったある女性に対して、密かに好意を持っているのは知っています。でも、その相手は、もうじき他の相手と熱烈な恋におちます。ですから、今回はそちらの方はあきらめて下さい」
コウタは内心ドキっとした。
自称キューピッドの話の半分、つまり自分が最近出逢ったある女性に好意をもっていることは、自分以外誰も知らない事実なのだから・・・
「やっぱ、彼女とは無理なんだ・・・」
ひとり言のように、つぶやいた。
「残念ですが・・・でも、その変わりと云ってはなんですが、あなたに強い好意を持っている女性がいます。そして、そのどちらか一方と、あなたは恋に落ちてもらいます!」
「はぁ・・・」
「あなたの好みを教えて下さい。ちょっと気が強くて、一途で、あまり細かいことを気にしない活発なタイプと、控えめで、あまりものをはっきりと云わないけど、気配りの出来る大人しいタイプ。どちらの女性と付き合いたいですか?」
「ルックスは?見た目は?」
「それは大丈夫、わたしが上手い引き合わせ方をしますから、その相手のルックスをあなたは好きになります」
「へぇ・・・そんなもんなの?」
「恋の矢を打っているキューピッドの絵とか、見たことがあると思いますが、あれです。私の矢に当たったらその瞬間に、相手のルックスを好きになってしまうんです。キューピッドの矢にはそういう毒が塗ってあるんです」
キューピッドのは、そう云ってちいさく笑い声をもらした。
「毒ですかぁ・・・」
「で、さっきの質問ですが、どうでしょう?」
「そういうことなら、控えめって方の子がいい!」
「了解です!では、近々、あなたに私の矢が刺さりますので、覚悟して下さいね!断っておきますが、その恋がどういう展開で、どうなるのかは基本的には本人達次第ですから・・・」
「うん、その方が面白いっていうか、そうじゃなきゃなんかつまらないもんね~」
「そうです!では、素敵なロマンスを!!」
電話は切れた。
コウタが目を覚ましたのは、翌朝だった。
ヤバイ、ヤバイ、ギリギリだぜ~
急がなくっちゃ。
昨夜の電話って、夢かやっぱ。
ぶつくさ云いながら、支度をして最寄のバス停へとダッシュした。
バス停直前の舗道に、ピンクの携帯が落ちているのがコウタの目に入った。
当然拾い上げ、そのままバッグへ入れて、バスに乗った。
この携帯の持ち主ってどんな子だろう?
まさか、ピンクだからな、オトコじゃないよな・・・
コウタはその携帯の主を、想像した。
バスを降りて、駅のターミナルから改札への階段を上っている時、拾ったピンクの携帯が鳴った。
「ありがとうございます!」
その子の第一声を聴いた瞬間、コウタはもちろん、恋におちた!!!
コウタはテレビのスイッチを切った。
寝るかぁ~とつぶやいて、大あくびをひとつして、ベッドに横になった。
その時、着メロが響いた。
相手も確認せずに、反射的に受けていた。
「こんばんは~」
聴き覚えのない女の声?同世代?誰?
「はい?」
「こんな時間に、ごめんなさい。わたしエマっていいます」
「あの、間違えてかけてません?」
「えっ?コウタさんですよね?」
「そうです。アキヤマコウタです」
誰だろう?
「よかった。間違っちゃったか思った。焦っちゃったぁ~」
「あの、どちらのエマさんですか?」
コウタはたずねた。
「わたしは恋のキュービッドのエマです!」
恋のキューピッド???
コウタは頭の中でその言葉を何回か繰り返した・・・・
「突然そんなこと云われも、信じられないのもごもっともですが、それで良いです。もう少し、わたしの話をきいて下さい」
「はぁ・・・」
「コウタさん、今、あなたのことをとても気に入っていて、お付き合いしたいと考えている女性が2名います。わたしはそのどちらかの女性と、あなたの仲を取り持つのが今回の使命です」
コウタは、半信半疑で聴いていた。
これって夢?
だとしても・・・面白い!続きが聴いてみたい!
「コウタさん、あなたは最近出逢ったある女性に対して、密かに好意を持っているのは知っています。でも、その相手は、もうじき他の相手と熱烈な恋におちます。ですから、今回はそちらの方はあきらめて下さい」
コウタは内心ドキっとした。
自称キューピッドの話の半分、つまり自分が最近出逢ったある女性に好意をもっていることは、自分以外誰も知らない事実なのだから・・・
「やっぱ、彼女とは無理なんだ・・・」
ひとり言のように、つぶやいた。
「残念ですが・・・でも、その変わりと云ってはなんですが、あなたに強い好意を持っている女性がいます。そして、そのどちらか一方と、あなたは恋に落ちてもらいます!」
「はぁ・・・」
「あなたの好みを教えて下さい。ちょっと気が強くて、一途で、あまり細かいことを気にしない活発なタイプと、控えめで、あまりものをはっきりと云わないけど、気配りの出来る大人しいタイプ。どちらの女性と付き合いたいですか?」
「ルックスは?見た目は?」
「それは大丈夫、わたしが上手い引き合わせ方をしますから、その相手のルックスをあなたは好きになります」
「へぇ・・・そんなもんなの?」
「恋の矢を打っているキューピッドの絵とか、見たことがあると思いますが、あれです。私の矢に当たったらその瞬間に、相手のルックスを好きになってしまうんです。キューピッドの矢にはそういう毒が塗ってあるんです」
キューピッドのは、そう云ってちいさく笑い声をもらした。
「毒ですかぁ・・・」
「で、さっきの質問ですが、どうでしょう?」
「そういうことなら、控えめって方の子がいい!」
「了解です!では、近々、あなたに私の矢が刺さりますので、覚悟して下さいね!断っておきますが、その恋がどういう展開で、どうなるのかは基本的には本人達次第ですから・・・」
「うん、その方が面白いっていうか、そうじゃなきゃなんかつまらないもんね~」
「そうです!では、素敵なロマンスを!!」
電話は切れた。
コウタが目を覚ましたのは、翌朝だった。
ヤバイ、ヤバイ、ギリギリだぜ~
急がなくっちゃ。
昨夜の電話って、夢かやっぱ。
ぶつくさ云いながら、支度をして最寄のバス停へとダッシュした。
バス停直前の舗道に、ピンクの携帯が落ちているのがコウタの目に入った。
当然拾い上げ、そのままバッグへ入れて、バスに乗った。
この携帯の持ち主ってどんな子だろう?
まさか、ピンクだからな、オトコじゃないよな・・・
コウタはその携帯の主を、想像した。
バスを降りて、駅のターミナルから改札への階段を上っている時、拾ったピンクの携帯が鳴った。
「ありがとうございます!」
その子の第一声を聴いた瞬間、コウタはもちろん、恋におちた!!!