ファインダーの向こう
「もしもし? 波多野さん……? 倉野です」
『あらま、沙樹ちゃん?』
「こんな時間にすみません」
沙樹が済まなそうに声を落とすと、波多野は電話の向こうで小さく笑った。
『やっぱり僕たちの会話、聞いてたんだね?』
「すみません……」
『いいよ、逢坂と電話をしてる最中ずっと君がどんなセクシーな姿でいるのか妄想してたよ。なぁんて冗談はいいか、僕は逢坂が出て行った後に必ず沙樹ちゃんから電話がくると思ってたからさ』
やはり波多野は全て自分の行動を予想していた。その恐るべき洞察力に沙樹は言葉を失う。
『沙樹ちゃん、上司命令だよ』
「……はい」
『君が逢坂の過去を終わらせるんだ。僕からもお願いするよ』
「わかりました……それからちょっと協力して欲しい事があるんですけど……」
沙樹は無謀だと自覚しながらもゴクリと喉を鳴らすと、波多野に告げた。
「実は……」
『あらま、沙樹ちゃん?』
「こんな時間にすみません」
沙樹が済まなそうに声を落とすと、波多野は電話の向こうで小さく笑った。
『やっぱり僕たちの会話、聞いてたんだね?』
「すみません……」
『いいよ、逢坂と電話をしてる最中ずっと君がどんなセクシーな姿でいるのか妄想してたよ。なぁんて冗談はいいか、僕は逢坂が出て行った後に必ず沙樹ちゃんから電話がくると思ってたからさ』
やはり波多野は全て自分の行動を予想していた。その恐るべき洞察力に沙樹は言葉を失う。
『沙樹ちゃん、上司命令だよ』
「……はい」
『君が逢坂の過去を終わらせるんだ。僕からもお願いするよ』
「わかりました……それからちょっと協力して欲しい事があるんですけど……」
沙樹は無謀だと自覚しながらもゴクリと喉を鳴らすと、波多野に告げた。
「実は……」