ファインダーの向こう
沙樹は先程見たあの影と、ジャケットの中の里浦の顔を重ね合わせてみた。
(……気のせいだったら、やめときななんて言われないよね……?)
「沙ぁ樹、もしかして、疲れてる? さっきからぼーっとしてるよ」
ルミの声で、沙樹はハッとしてDVDを凝視している視線を上げた。
「ごめん……違うの、ルミ綺麗だなーって思って」
「そう? ありがと」
「こんな綺麗だったら、きっと―――」
里浦さんもルミに惹かれちゃうよね?
そう言いかけて沙樹は慌てて口を噤んだ。けれど、ルミが里浦と本当はどういう関係なのか仕事でなくとも個人的に興味はあった。
「そういえばさ、沙樹は今、ジャーナリストなんだって? 前にそう話してくれたよね? 頑張ってる?」
しばらくして、ルミがワインを煽りながら沙樹に言った。
「うん、契約社員なんだけど、いろんなところに取材に行ったり、その時に撮った写真について記事を書いたりしてるんだ」
「へぇ……」
気の抜けたようなルミの声に、沙樹は一瞬ルミの空気が変わったのを感じた。
「その取材って、芸能もやったりするの? 例えば……そうね、里浦隆治と私の熱愛現場……とか」
「え……」
(……気のせいだったら、やめときななんて言われないよね……?)
「沙ぁ樹、もしかして、疲れてる? さっきからぼーっとしてるよ」
ルミの声で、沙樹はハッとしてDVDを凝視している視線を上げた。
「ごめん……違うの、ルミ綺麗だなーって思って」
「そう? ありがと」
「こんな綺麗だったら、きっと―――」
里浦さんもルミに惹かれちゃうよね?
そう言いかけて沙樹は慌てて口を噤んだ。けれど、ルミが里浦と本当はどういう関係なのか仕事でなくとも個人的に興味はあった。
「そういえばさ、沙樹は今、ジャーナリストなんだって? 前にそう話してくれたよね? 頑張ってる?」
しばらくして、ルミがワインを煽りながら沙樹に言った。
「うん、契約社員なんだけど、いろんなところに取材に行ったり、その時に撮った写真について記事を書いたりしてるんだ」
「へぇ……」
気の抜けたようなルミの声に、沙樹は一瞬ルミの空気が変わったのを感じた。
「その取材って、芸能もやったりするの? 例えば……そうね、里浦隆治と私の熱愛現場……とか」
「え……」