ファインダーの向こう
「あっははは! もう! 沙樹ったら、なんて顔してんのよ。ごめんごめん、冗談だよ」
「え……?」
いつの間にか俯いてしまっていた沙樹の頭に、突然ルミの笑い声が降ってきた。沙樹が顔をあげると、ルミはまだ声を立てて笑っている。
「沙樹って変わらないね、真面目っていうかさ……仕事のためとは言え、親友の芸能ネタを素直に聞いてもいいのかなとか、どうせそんなこと考えてたんでしょ?」
「それは……」
黙っていても、ルミには全てお見通しだった。ルミは最後のデザートを食べ終わるとナプキンで口を拭いながら言った。
「私と隆治はただの共演者。なんの関係もないわよ」
「え? でも、車の中で里浦さんとキスしてたのってルミじゃないの?」
「あぁ、あれね……違うよ」
そう言ってルミは右耳のピアスを軽く弄った。
(ルミ、嘘ついてる……)
ルミが何か嘘をついたり、誤魔化したりする時は必ず右耳のピアスに触れる。おそらく、ルミ自身気がついていない仕草なのだろう。
「そう、なんだ」
あまりしつこくするとルミはすぐに機嫌が悪くなる。それを知っていた沙樹は、それ以上追求するのをやめた。
「え……?」
いつの間にか俯いてしまっていた沙樹の頭に、突然ルミの笑い声が降ってきた。沙樹が顔をあげると、ルミはまだ声を立てて笑っている。
「沙樹って変わらないね、真面目っていうかさ……仕事のためとは言え、親友の芸能ネタを素直に聞いてもいいのかなとか、どうせそんなこと考えてたんでしょ?」
「それは……」
黙っていても、ルミには全てお見通しだった。ルミは最後のデザートを食べ終わるとナプキンで口を拭いながら言った。
「私と隆治はただの共演者。なんの関係もないわよ」
「え? でも、車の中で里浦さんとキスしてたのってルミじゃないの?」
「あぁ、あれね……違うよ」
そう言ってルミは右耳のピアスを軽く弄った。
(ルミ、嘘ついてる……)
ルミが何か嘘をついたり、誤魔化したりする時は必ず右耳のピアスに触れる。おそらく、ルミ自身気がついていない仕草なのだろう。
「そう、なんだ」
あまりしつこくするとルミはすぐに機嫌が悪くなる。それを知っていた沙樹は、それ以上追求するのをやめた。