ファインダーの向こう
それから数時間、昔の思い出ばなしや、他愛のない話をしてルミがほろ酔いになった頃、ルミの携帯にマネージャーから電話がかかってきた。
「ったく、うるさいわねぇ……人がいい気分で楽しんでるってのに、はぁい?」
かったるそうに携帯に出ると、肘を付きながらぶっきらぼうに会話を始めた。
(今何時かな……?)
袖をちらっとめくって時間を見ると、既に二十二時を回っていた。
「あーごめんねぇ沙樹、マネージャーからだった。そろそろ帰らないとね」
「うん、そうだね。今夜は楽しかったよ、ありがとう」
沙樹がにっこり笑って言うと、急にルミが真面目な顔をして言った。
「芸能ネタもいいけど、私のことは追ってこないでね」
「え……?」
「なぁんて、冗談! 沙樹だって仕事だもんね! 私も気をつけよーっと」
沙樹が返事に戸惑っていると、ルミはパッと表情を変えて笑った。こういう表情の切り替えの速さはさすがに女優だ。
「ったく、うるさいわねぇ……人がいい気分で楽しんでるってのに、はぁい?」
かったるそうに携帯に出ると、肘を付きながらぶっきらぼうに会話を始めた。
(今何時かな……?)
袖をちらっとめくって時間を見ると、既に二十二時を回っていた。
「あーごめんねぇ沙樹、マネージャーからだった。そろそろ帰らないとね」
「うん、そうだね。今夜は楽しかったよ、ありがとう」
沙樹がにっこり笑って言うと、急にルミが真面目な顔をして言った。
「芸能ネタもいいけど、私のことは追ってこないでね」
「え……?」
「なぁんて、冗談! 沙樹だって仕事だもんね! 私も気をつけよーっと」
沙樹が返事に戸惑っていると、ルミはパッと表情を変えて笑った。こういう表情の切り替えの速さはさすがに女優だ。