ファインダーの向こう
「あぁ、とんだ邪魔が入って逃した。思い出すとムカつくんでその話しないで欲しいんですけど?」
『あっははは、そうかそうか。まぁ里浦も死なない限りはまたチャンスあるさ、ってことでその倉野沙樹と明日の夜、八時くらいに適当な場所で待ち合わせて顔合わせでもしてくれ。じゃあな、おやすみ』
波多野は同行の件について、否応なしに勝手に話を進めると慌ただしく電話を切ってしまった。
「倉野……沙樹ね」
再び戻ってきた静けさの中、古傷の前兆とはこのことだったのかと思うと、逢坂は深いため息をつかずにはいられなかった―――。
『あっははは、そうかそうか。まぁ里浦も死なない限りはまたチャンスあるさ、ってことでその倉野沙樹と明日の夜、八時くらいに適当な場所で待ち合わせて顔合わせでもしてくれ。じゃあな、おやすみ』
波多野は同行の件について、否応なしに勝手に話を進めると慌ただしく電話を切ってしまった。
「倉野……沙樹ね」
再び戻ってきた静けさの中、古傷の前兆とはこのことだったのかと思うと、逢坂は深いため息をつかずにはいられなかった―――。