ファインダーの向こう
第三章 深夜0時のスクープ
Chapter1
翌朝―――。
「んん……」
沙樹がうっすらと目を開けると、すでに日は昇っていた。
昨夜は早めにベッドに入ったつもりだったが、結局、逢坂との会話を何度も反芻しているうちに、寝たのか寝てないのかよくわからないまま朝になってしまった。
(深夜0時に渋谷……)
沙樹がぼんやりとそんなことを思っていると、突然携帯が鳴った。
(もしかして、逢坂さん?)
反射的に携帯の画面を見たが、そこに表示されている名前を見て、沙樹は肩を落とした。
「はい」
『あ、沙樹? お母さんだけど。あんた、まだ寝てたんじゃないでしょうね?』
懐かしいその声に、いつもと変わらない様子が窺えて安堵する。
「ううん、起きてるよ……まだベッドの中だけど」
『全く、全然連絡寄こさないもんだから、こっちから電話しちゃったわよ。元気でやってるの?』
「うん、仕事も順調だし、何も心配ないって」
沙樹が一人娘だからか、昔から母親は過剰すぎるほど心配性で、週に二、三度は電話を掛けてくる。
『あんた、いっつも電話しても留守番電話なんだから、仕事もいいけどお母さんとしては、早くいい人見つけて落ち着いて欲しいんだけれどね』
「う、うん……」
(始まった……)
母と電話をすると、必ずといってもいいほどこの話題が出てくる。
『この間、近所のスーパーに行ったらね、あんたと高校の時に同級生だった子、あぁ~名前なんだったかしら、顔は覚えてるんだけどねぇ……旦那さんと、最近産まれたってお子さん連れて買い物に来てたのよ』
「そう、なんだ……」
『私も早く孫の話とかしたいんだから、お父さんだってあの世でヤキモキしてるんじゃないかしら?』
「んん……」
沙樹がうっすらと目を開けると、すでに日は昇っていた。
昨夜は早めにベッドに入ったつもりだったが、結局、逢坂との会話を何度も反芻しているうちに、寝たのか寝てないのかよくわからないまま朝になってしまった。
(深夜0時に渋谷……)
沙樹がぼんやりとそんなことを思っていると、突然携帯が鳴った。
(もしかして、逢坂さん?)
反射的に携帯の画面を見たが、そこに表示されている名前を見て、沙樹は肩を落とした。
「はい」
『あ、沙樹? お母さんだけど。あんた、まだ寝てたんじゃないでしょうね?』
懐かしいその声に、いつもと変わらない様子が窺えて安堵する。
「ううん、起きてるよ……まだベッドの中だけど」
『全く、全然連絡寄こさないもんだから、こっちから電話しちゃったわよ。元気でやってるの?』
「うん、仕事も順調だし、何も心配ないって」
沙樹が一人娘だからか、昔から母親は過剰すぎるほど心配性で、週に二、三度は電話を掛けてくる。
『あんた、いっつも電話しても留守番電話なんだから、仕事もいいけどお母さんとしては、早くいい人見つけて落ち着いて欲しいんだけれどね』
「う、うん……」
(始まった……)
母と電話をすると、必ずといってもいいほどこの話題が出てくる。
『この間、近所のスーパーに行ったらね、あんたと高校の時に同級生だった子、あぁ~名前なんだったかしら、顔は覚えてるんだけどねぇ……旦那さんと、最近産まれたってお子さん連れて買い物に来てたのよ』
「そう、なんだ……」
『私も早く孫の話とかしたいんだから、お父さんだってあの世でヤキモキしてるんじゃないかしら?』