ファインダーの向こう
Chapter3
ルミと里浦のスクープ記事が公になって数日が経ったある日―――。
「え? それって本当なの?」
『オレの知り合い、これでも腕利きのマスコミだから、情報は確かだと思いますよ』
沙樹が家でカメラの手入れをしている時、新垣から電話がかかってきた。その内容は、一瞬間違いなのではと思うようなものだった。
『神山ルミはもう浮気スクープ撮られてからやけくそになってるっていうか、撮りたきゃ撮れー! って勢いで……あのクラブ、元々いい噂なかったからそこに出入りして何やってるかはわかりませんけど』
ルミが出入りしているというクラブR&Wは、里浦の経営している店で都内では名の知れたハイクラスな高級クラブだった。新垣の話によれば、最近ルミがそこに毎夜通い、時折仕事をサボって朝まで入り浸っているとのことだった。ルミは仕事には熱心で夜通し遊び倒すようなタイプではなかったため、新垣の話がにわかに信じ難かった。
『おそらく逢坂さんも、もうすでにこの話知ってると思いますよ、なにか言ってませんでしたか?』
「え? ううん。この前、偶然会社で会ったけど何も言ってなかった」
『そっか、よかった。きっと逢坂さんも倉野さんがこれ以上、神山と里浦の件に関わって欲しくないから言わなかったんでしょうね』
「そう、なのかな……」
『そうですよ、オレ倉野さんにはドロドロした暗いネタより、もっと前向きな明るいニュースを追いかけてる方が似合ってると思います。あ、これはオレの主観的な意見ですけど、じゃあもう行かなきゃなんないんで、すみません』
慌ただしく新垣が電話を切ると、胸の中に小さな染みが滲んだのがわかった。おもむろに他社の芸能雑誌を広げて見ると、ルミがR&Wに入り浸って乱交パーティをしていると書かれたページが目に入って、沙樹は勢いよく雑誌を閉じた。
(確かめなきゃ……!)
もし、ルミが何か危ういことをしているのであればそれを止めたかった。そんな一心で、沙樹は携帯を手に取ると、ルミの番号を呼び出した。
「え? それって本当なの?」
『オレの知り合い、これでも腕利きのマスコミだから、情報は確かだと思いますよ』
沙樹が家でカメラの手入れをしている時、新垣から電話がかかってきた。その内容は、一瞬間違いなのではと思うようなものだった。
『神山ルミはもう浮気スクープ撮られてからやけくそになってるっていうか、撮りたきゃ撮れー! って勢いで……あのクラブ、元々いい噂なかったからそこに出入りして何やってるかはわかりませんけど』
ルミが出入りしているというクラブR&Wは、里浦の経営している店で都内では名の知れたハイクラスな高級クラブだった。新垣の話によれば、最近ルミがそこに毎夜通い、時折仕事をサボって朝まで入り浸っているとのことだった。ルミは仕事には熱心で夜通し遊び倒すようなタイプではなかったため、新垣の話がにわかに信じ難かった。
『おそらく逢坂さんも、もうすでにこの話知ってると思いますよ、なにか言ってませんでしたか?』
「え? ううん。この前、偶然会社で会ったけど何も言ってなかった」
『そっか、よかった。きっと逢坂さんも倉野さんがこれ以上、神山と里浦の件に関わって欲しくないから言わなかったんでしょうね』
「そう、なのかな……」
『そうですよ、オレ倉野さんにはドロドロした暗いネタより、もっと前向きな明るいニュースを追いかけてる方が似合ってると思います。あ、これはオレの主観的な意見ですけど、じゃあもう行かなきゃなんないんで、すみません』
慌ただしく新垣が電話を切ると、胸の中に小さな染みが滲んだのがわかった。おもむろに他社の芸能雑誌を広げて見ると、ルミがR&Wに入り浸って乱交パーティをしていると書かれたページが目に入って、沙樹は勢いよく雑誌を閉じた。
(確かめなきゃ……!)
もし、ルミが何か危ういことをしているのであればそれを止めたかった。そんな一心で、沙樹は携帯を手に取ると、ルミの番号を呼び出した。