ファインダーの向こう
『はぁーい』
「あ、ルミ? 私、沙樹」
コールが六回鳴ったところで、眠たげなルミの声が聞こえた。
今は午後の三時。こんな時間まで寝ていたのだろうかと思うと、無意識に朝帰りをしたのかと穿ってしまう。
『沙樹ー。珍しいわね、沙樹から電話してくれるなんてー』
「う、うん」
『沙樹に会いたいよぅ。ねぇねぇ、今夜時間ない?』
寝起きにしてはルミの機嫌がいい。それに、先日の浮気現場暴露記事を自分が書いたのだと気づいていない様子だった。
「今夜? いいよ。時間あるけど」
『ほんとー!? 今日さ、ちょうど仕事なくなっちゃって……場所は近場で新宿とかでいい?』
「うん、いいよ」
ルミは今、ドラマにも主演してCMにも何本か出ている。仕事が突然なくなったという言葉に引っかかりを覚えながら、沙樹はルミと今夜会う約束をして電話を切った―――。
「あ、ルミ? 私、沙樹」
コールが六回鳴ったところで、眠たげなルミの声が聞こえた。
今は午後の三時。こんな時間まで寝ていたのだろうかと思うと、無意識に朝帰りをしたのかと穿ってしまう。
『沙樹ー。珍しいわね、沙樹から電話してくれるなんてー』
「う、うん」
『沙樹に会いたいよぅ。ねぇねぇ、今夜時間ない?』
寝起きにしてはルミの機嫌がいい。それに、先日の浮気現場暴露記事を自分が書いたのだと気づいていない様子だった。
「今夜? いいよ。時間あるけど」
『ほんとー!? 今日さ、ちょうど仕事なくなっちゃって……場所は近場で新宿とかでいい?』
「うん、いいよ」
ルミは今、ドラマにも主演してCMにも何本か出ている。仕事が突然なくなったという言葉に引っかかりを覚えながら、沙樹はルミと今夜会う約束をして電話を切った―――。