ファインダーの向こう
「あ、波多野さん、逢坂さんも、お疲れっす」
「なんだ、新垣か」
波多野はちらりと興味なさそうに新垣を一瞥した。
「波多野さん~オレ、ずっと探してたんですよ。さっきもここ覗いたら外出してるって倉野さんに言われて……あぁ、さっきまで一緒にお茶してたんですけど」
「え? 沙樹ちゃんと? それって抜けがけ?」
「そうですよ、羨ましいですか」
そんな二人のやり取りに付き合ってられないと、逢坂がすっと席を立った時、新垣が逢坂に視線を向けた。
「久しぶりですね、逢坂さんとこんなところで会えるなんて」
「……どうも」
目もくれず逢坂がぶっきらぼうに応えると、新垣は一瞬口を曲げたが気を取り直して言った。
「逢坂さん、倉野さんがどこに行ったか知りませんか? さっき、カフェテリアでお茶してた時、友達からかなぁ~電話がかかってきてたみたいで、その後すぐに帰っちゃったんです。その様子がちょっと気にかかって……」
逢坂は腕を組みながら首をかしげている新垣を、じろりと横目で見た。
「なんでそんなことを俺が知ってるって思うんだ?」
「なんとなく逢坂さんなら居場所知ってるかと思って……倉野さん、逢坂さんのこと尊敬してるって言ってたし」
新垣は逢坂の視線に目を逸らし、口ごもるように言った。
「なになに~、もしかして、新垣は沙樹ちゃん狙い? だったら残念だったねぇ~。逢坂と沙樹ちゃんは赤い糸ですでに結ばれてるから」
ニヤニヤしながら波多野が言うと、逢坂は呆れるようにため息をもらした。
「えっ!? ど、どういうことですか?」
「波多野さん、余計なこと言って話しややこしくするのやめてください。って、そうやって面白がるのも趣味悪すぎですよ。じゃあ、俺そろそろ行くんで」
「はいはい~い! 行ってらっしゃい」
ひらひらと手を振る波多野を尻目に、逢坂が廊下に出て歩き出そうとした時だった。
「なんだ、新垣か」
波多野はちらりと興味なさそうに新垣を一瞥した。
「波多野さん~オレ、ずっと探してたんですよ。さっきもここ覗いたら外出してるって倉野さんに言われて……あぁ、さっきまで一緒にお茶してたんですけど」
「え? 沙樹ちゃんと? それって抜けがけ?」
「そうですよ、羨ましいですか」
そんな二人のやり取りに付き合ってられないと、逢坂がすっと席を立った時、新垣が逢坂に視線を向けた。
「久しぶりですね、逢坂さんとこんなところで会えるなんて」
「……どうも」
目もくれず逢坂がぶっきらぼうに応えると、新垣は一瞬口を曲げたが気を取り直して言った。
「逢坂さん、倉野さんがどこに行ったか知りませんか? さっき、カフェテリアでお茶してた時、友達からかなぁ~電話がかかってきてたみたいで、その後すぐに帰っちゃったんです。その様子がちょっと気にかかって……」
逢坂は腕を組みながら首をかしげている新垣を、じろりと横目で見た。
「なんでそんなことを俺が知ってるって思うんだ?」
「なんとなく逢坂さんなら居場所知ってるかと思って……倉野さん、逢坂さんのこと尊敬してるって言ってたし」
新垣は逢坂の視線に目を逸らし、口ごもるように言った。
「なになに~、もしかして、新垣は沙樹ちゃん狙い? だったら残念だったねぇ~。逢坂と沙樹ちゃんは赤い糸ですでに結ばれてるから」
ニヤニヤしながら波多野が言うと、逢坂は呆れるようにため息をもらした。
「えっ!? ど、どういうことですか?」
「波多野さん、余計なこと言って話しややこしくするのやめてください。って、そうやって面白がるのも趣味悪すぎですよ。じゃあ、俺そろそろ行くんで」
「はいはい~い! 行ってらっしゃい」
ひらひらと手を振る波多野を尻目に、逢坂が廊下に出て歩き出そうとした時だった。