好きと言わせるために
『..っと、いけね。遅刻だわ。乗れよ、妃。』
え?遅刻?
時計を見ると短針は8と9の間、長針は3の当たりを指していた。
学校まで15分かかるから、このままだと..
『遅刻ーーっ?!稜、急いで!』
本来私が偉そうにしていられる立場ではないのだが、今は気にしない。
『わかってるっつーの。わかったから揺らすな、妃さんや?揺らされると急げねぇんだけど。』
その一言で私は、現状を理解した。