ニセモノ×初恋=??
「えーーーっ!!うっそー!?」

「嘘言ってどーすんだよ」

あまりにも私がビックリしてるので、井ノ上もそこまで驚かれると思わなかったのか、微妙な顔をしている。

「素直な良い子だったから…」

保健室に連れていった次の日、紗英ちゃんは午後から教室にお礼を言いに来て、お菓子までプレゼントしてくれたのだ。

午前中病院に行ったところ、捻挫だったらしく、片側だけ松葉杖をつきながらあらわれた。

しかも1つとはいえ、先輩だらけの教室に来るのはなんとも勇気が必要だったろうに。

「なんだそれ、俺の妹だと素直な良い子はあり得ないとでも言いたいのか」

「えへへ…。あ!だから私の名前知ってたの?」

ふとそう思い、井ノ上に聞くと、

「えっ…アイツ、何か言ってたのか!?」

「は?」

なぜか井ノ上が慌てている。

「だから紗英、何か言いやがったのか?」

「……ちょっと、何でそんなに慌ててんのよ」

井ノ上の慌てっぷりにある考えが思い当たる。

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