ニセモノ×初恋=??
「井ノ上を怒らせちゃったみたいでねー、それで不味いことしたかなぁと考えたり、家事をしてたりしたらバタバタしちゃってた」

嘘ではない。

実際、帰ってきてからぼんやりしつつもいつも通り洗濯物を畳んだり、ご飯を炊いたりしていた。

味噌汁はいつもよりぼんやりしてたせいか味噌を多く入れてしまい、少し濃いめになってしまっていて、それを後から帰ってきた姉に指摘された。

『怒らせたって…どうしたの?』

少し低めの声で聞いてくる。

「それがね、この前保健室に連れていった子、井ノ上の妹だったみたいで、やけに妹さんが私になに言ったか気にしてたから、家で悪口言ってるんだろうなっていじったら怒っちゃった。 ま、明日には平気だと思うから、大したことないよ」

私がそう言うと、

『そうなんだ。大したことないならいいんだけど……けんかするほど仲が良いっていうから何だか悔しいな』

わけのわからない対抗心をもつ児玉くん。
< 184 / 558 >

この作品をシェア

pagetop