ニセモノ×初恋=??
ぐるぐると考えていると、なかなか返事をしなかった私に、

「……各務さん?」

と首筋で児玉くんが返事を催促するかのように声をかけてきたが、

「うひゃあ!!」

児玉くんの息が耳にかかって、思わず奇声をあげてしまった。

それなのに、

「どうしたの?」

それに気付いてないのか、平然と聞いてくる。

「どっ、どうしたのじゃなくて、首と耳がくすぐったいよ、児玉くん!」

とりあえず抗議の声をあげてみると、

「あ、ごめん」

と、少しだけ顔をあげてくれた。

耳元に感じていた感触が少し遠ざかったことにホッとする。

「で、さっきの質問の答えはどうなの?」

「あ、うん、意識しないってことはないけど、単にビックリして、というか…。だからといって、好きとかじゃあなくて…」

ちょっとだけ後ろを見てそう言った。
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