ニセモノ×初恋＝？？

後ろから抱きつかれたままなので、後ろを振り返ろうにも完全には向けず、児玉くんの顔はわからない。

児玉くんからも私の表情は見えてないはずなので、恥ずかしかったりするからそれはよかった。

「うん、それで？」

児玉くんが先を促す。

自分としても、さっき起こったばかりの出来事だから、まだいろんな気持ちの整理はついていなかった。

「んー、さっきの話もどこまで本気かわからないから、何て言っていいのか……。またからかわれてるんじゃないかと思っちゃうし…」

私の返事を聞くと、児玉くんははぁ、とため息をつき、

「……各務さん、少しは自分が女だって自覚した方がいいよ……」

呆れた口調でそう言った。