ニセモノ×初恋=??
「あれは……北条さんがどうしても、各務さんに関することがあるから、見せたいものがあるって……」

「北条さんが?」

つまり、私が井ノ上と話をすることを知っていたか、二人で話してるとこを見たのだろうか。

よくわからなかったが、二人が現れたのは偶然ではないということだけはわかった。

「それで、教室が近付くに連れて、何か話してるのは聞こえたんだけど、はっきり聞こえたのはアイツが叫んだ、キスしようとしたというのだけで…」

そう言って、指が唇に来た。

「それを聞いたら頭に血が昇っちゃって……。冷静になろうと思ったんだけど…無理だった。アイツが、各務さんの初めてなのかなって」

「なっ…何で初めてってわかるの!?」

「そりゃ、今まで彼氏いたことないって言ってたから…違うの?」

「う……そうだけど…」

「彼氏はいなくても、経験あったわけ?」

そう告げる児玉くんの視線はなぜか鋭くて。

間近でみると綺麗で、さらにドキドキした。

「まさか!!そんなこと、あるわけない!」

慌てて弁解した。

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