ニセモノ×初恋=??
「………それ、卑怯…」

ぽそり、と呟いた児玉くんの声はごく小さな声で。

「………そんな顔、他の人に見せないでよ」

と、また指が私の顔の上で動き出した。

「そんな顔って??」

児玉くんの指の動きを気にしながらも、訊ねる。

なぜかその質問にばつが悪そうな表情を浮かべながらも、指が止まることはなかった。

「……教えない」

「何で?」

「……何ででも!今は俺の彼女なんだから」

児玉くんの言い分が理解しきれない。

なので、

「全く、偽物の彼女にまでそんなこと言ってたら、本当の彼女になる人は大変だよ、児玉くんの独占欲」

ちょっと仕返しのつもりでそう言った。
< 267 / 558 >

この作品をシェア

pagetop