ニセモノ×初恋=??
「……わ、わかりました……」

昼休みのあのとき、児玉くんの有無を言わせない雰囲気に、思わず了承の返事をしてしまった。

「そう、よかった。じゃあ、さっそくよろしくね」

と素敵な笑顔を向けてくれる。

きっと、児玉くんを好きな子が見たら、頬を赤らめそうなくらい、素敵な顔だったが、今の私には何を考えてるかわからない、怪しい顔にしか見えなかった。

「詳しいことはまたそのうちに打合せしよう。昼休みの図書委員の仕事がもう少し残ってるし」

と、図書室のカウンターを指差した。

「各務さんも借りて帰るんでしょ、それ」

「あ、うん……」

二人でカウンターに向かう。


< 27 / 558 >

この作品をシェア

pagetop