ニセモノ×初恋=??
「じゃあ、貸し出しの処理するから、その間にアドレス書いてくれる?夜、連絡するから」

とカウンターにあるメモ用紙を切って渡してくる。

「あ、はい……」

カウンターにあるボールペンをとり、ケータイの番号とアドレスを書いた。

「はい」

書いたのを児玉くんに差し出すと、にっこり笑って、

「ありがとう」

と言って受け取ってくれた。

「でも、本当にケータイの弁償しなくていいの?すっごく申し訳ないんだけど……」

確認のためにもう一度だけ聞いてみた。

すると児玉くんは、

「お金での弁償より、こっちの方がありがたいから。こんなこと頼める女友達もいないし」

と笑った。そして処理の終わった本を私に渡すと、

「じゃあ、よろしくね、仮だけど彼女さん」

と、胡散臭い……いや、爽やかな笑顔でそう言ったのだった…………。
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