ニセモノ×初恋=??
「俺の事、キライ?」

さっきも聞いたようなセリフを再度聞いてきた。

「だから、キライじゃなくて…」

「俺にこうされるのイヤ?」

「イヤじゃないけどっ、ってそういう問題じゃなくて!!」

私がそう答えると、抱きしめていた児玉くんの力が緩んだ。

それを感じ、児玉くんから顔を離して見上げると。



「………っ……」


嬉しそうな表情を浮かべた児玉くんの顔が近くにあって。


「嫌じゃないんだ」

と笑った。


その笑顔に圧倒されて。


反射的にコクリ、と頷いた。


すると児玉くんは私の頬を撫でて。

「井ノ上でも、そう思う?」

と聞いてくる。


―――井ノ上??


「………想像、つかない……」

思わず顔をしかめた。
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