ニセモノ×初恋=??
井ノ上のことを心配して、何てまわりに言ったら良いのか迷っていると。



「くっだらない……」

低い、呆れたような口調。

児玉くんだった。


まさか児玉くんがそんなことを言い出すとは思わなくて、私は目をパチクリさせてしまう。

「でも児玉、この写真見る限り、本当に…」

クラスメートが児玉くんに向かって話しかけたが、

「今の時代、フォトショででもそれっぽくできるだろーが」

淡々と吐き捨てるようにそう言い返された。


―――っていうか児玉くん、日頃みんなの前でしない口調が出ちゃってるよ!!


クラスメートもそれにビックリしていて固まっている。

だがそんなことは気にせず、


「まったく、嫌がらせにも程がある」

と続けた。

いくら事情を知っているとはいえ、結果として井ノ上と私を庇うような発言をしてくれる児玉くんに感謝した。



「でもさぁ、井ノ上ってかがみんのこと好きじゃん?やりかねないよねー」

ふとクラスメートがそう呟き。

「は!?」

思わず叫んでしまった。
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