ニセモノ×初恋=??
井ノ上はそんな周りを見回して、冷やかすギャラリーにしっしっ、と追い払うかのようなしぐさをしてみせると、
「だから各務、俺の気持ちは嘘じゃない。今すぐに返事をくれとは言わないから、真剣に考えてみてくれ」
私の目を見てそう言った。
なので、
「あ?えーっと…私、児玉くんとつきあってるから無理」
と答えてみた。
「返事早っっ!!」
思わずギャラリーから突っ込まれる。
―――いや、だって。いつまで続くかわからないけど、児玉くんと約束してるし。
壊してしまった携帯分はきちんと役にたたなきゃ申し訳ない。
それにやっぱり、井ノ上を恋愛対象としてみるなんて考えられない。
「この前も、ごめん。真剣なんだとしたら、本気でごめん。とことん、恋愛には向かないみたい、私」
と謝る。
井ノ上はあまりにも早く返事をしたのがショックだったようで、変な表情をしている。
「児玉くんもごめんね、妙なことに巻き込んで」
児玉くんには頭を下げた。
「いや、俺は……各務さんが俺の傍にいてくれるならそれでいい。それに…」
児玉くんが私の顔に手を伸ばす。
「誰にも、渡すつもりないから」
頬に触れながら言う児玉くんのセリフに、ギャラリーから悲鳴に近い声が次々にあがる。
―――えーっと。人前で何言ってんだ、この人は。
思わず固まりかけてしまった。
ニセモノの彼女相手に、ここまでのラブラブっぷりを見せなくてもいいのに。
ここで動揺してしまったら、負けのような気がして。
なるべく冷静を装う。
井ノ上には悪いけど。
恋愛感情がないのは事実だから。
「ごめん、井ノ上」
と頭を下げた。
「だから各務、俺の気持ちは嘘じゃない。今すぐに返事をくれとは言わないから、真剣に考えてみてくれ」
私の目を見てそう言った。
なので、
「あ?えーっと…私、児玉くんとつきあってるから無理」
と答えてみた。
「返事早っっ!!」
思わずギャラリーから突っ込まれる。
―――いや、だって。いつまで続くかわからないけど、児玉くんと約束してるし。
壊してしまった携帯分はきちんと役にたたなきゃ申し訳ない。
それにやっぱり、井ノ上を恋愛対象としてみるなんて考えられない。
「この前も、ごめん。真剣なんだとしたら、本気でごめん。とことん、恋愛には向かないみたい、私」
と謝る。
井ノ上はあまりにも早く返事をしたのがショックだったようで、変な表情をしている。
「児玉くんもごめんね、妙なことに巻き込んで」
児玉くんには頭を下げた。
「いや、俺は……各務さんが俺の傍にいてくれるならそれでいい。それに…」
児玉くんが私の顔に手を伸ばす。
「誰にも、渡すつもりないから」
頬に触れながら言う児玉くんのセリフに、ギャラリーから悲鳴に近い声が次々にあがる。
―――えーっと。人前で何言ってんだ、この人は。
思わず固まりかけてしまった。
ニセモノの彼女相手に、ここまでのラブラブっぷりを見せなくてもいいのに。
ここで動揺してしまったら、負けのような気がして。
なるべく冷静を装う。
井ノ上には悪いけど。
恋愛感情がないのは事実だから。
「ごめん、井ノ上」
と頭を下げた。