ニセモノ×初恋=??
靴棚のところで二人と別れた私は、一人駅に向かって歩き始めた。

大抵この時間に帰る生徒は帰宅部ばかりである。

中学生の頃はスポーツ関係の部活をしていたが、通学距離が少し時間がかかるのと、帰る方向の列車の本数が少ないため、部活に入るのをやめたのだ。

だが、割りと部活に入る率は高い高校なので、帰ろうとする生徒は少なかった。

なので一人で歩いていると。

「よぉ、各務。帰んの?」

正門に着く前に声をかけられた。

「なんだ、村口か、あんたも帰るの?」

クラスは違うが同じ中学卒の村口 凛太郎(むらぐち りんたろう)が声をかけてきた。
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