ニセモノ×初恋=??
「俺にだけは、いーの」

「なにそれ」

少し拗ねたようにいう児玉くんがかわいかった。

「各務さんは男友達も多いし、凄く接しやすいのはいい点だけど、女の子としての警戒心が足りないから心配なんだよ」

「足りないかな?」

「うん。……家に誰もいないと知ってて、家に誘われたら、自制心との戦いだよ」


―――そんなもんなのか?


「そーなの?何で?」


と言って、頭を捻る。


「……何ででも」


答えてくれた内容は答えになってなくて。

「変な児玉くん」

としか言いようがなかった。

「変じゃない、普通だよ」

「そう?」

なんてやり取りをしていて。



気付かないうちに自分で地雷をふんでしまったらしい。



「村口とか普通に来てたけどなぁ」

という私の台詞に。




「………へぇ」




いつもより低い、児玉くんの声。


思わず児玉くんを見ると。



――――ひぃぃぃ!?



なんだか、すごーく、黒い笑みをしている。
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