ニセモノ×初恋=??
「あ、あの、児玉くん?」

「ふーん、村口くんねぇ。来たことあるんだ」

にっこり微笑んでるはずなのに、綺麗な笑顔が怖い!!

「いやっ、あるにはあるけど、中学とか去年とかだし!」

「うんうん」

―――な、なに言っても怖い!!何で!?

と怯えていると、

「って、今さら言っても仕方ないんだけどさ」

と普通の顔に戻ってくれた。

―――ほっ。

自然と安心して息をついた。

―――何でこんな怯えなきゃいけないんだ!?

何だか理不尽な気もする。

「ごめんね、ちょっとした独占欲」

と言ってから、また抱き抱えられた。

「独占欲?」

聞き返した私。

冷静に聞き返したつもりでも、心臓が跳ねたのがわかる。

―――ドキドキしてても仕方ないのに。

―――ニセモノの彼女なんだから。

―――児玉くんの言葉に惑わされたらダメだ。
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