ニセモノ×初恋=??


―――私、児玉くんのこと、好きなんだ……。


そう思うと、頭痛に加えて、胸がきゅう、となる。

―――うわ、いま思い出すことないのに!

急に意識してしまって、慌てた。

いろいろ動いてくれている児玉くんの姿を布団から覗いて。

久しぶりにじっくり見る児玉くんの顔は、相変わらず整っていた。

―――あー、ヤバイなぁ……。

自覚した思いで、胸がオカシイ。

だけど、児玉くんにいきなりいろいろ話すのはどうしても抵抗があって。


―――せめて、頭痛がおさまってから。

自分にそう言い聞かせた。


そうしていると、作業が終わった児玉くんがこっちに近付いてきた。


なぜかヤバイ、と思ってしまった私は反射的に目を閉じてしまった。

気配でベッドのすぐ傍に近付いてきたのがわかる。

「各務さん……?寝ちゃった?」

小さい声で確認するかのように聞いてくる。

なぜか寝たふりをしてしまったせいで、今さら目を開けれず。

そのまま寝たふりをした。

―――児玉くんには、あとからお礼を言おう。

そう思っていると、児玉くんはそのまま教室に戻るかと思ったら、なぜかそこから動かない。
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