ニセモノ×初恋=??
児玉くんが傍にいる気配がする。

―――どっ、どうしたんだろう。寝たふりが限界なんだけど…。

見られてるのかどうかわかんないから、薄目もできず、ベッドの横に立っている児玉くんの気配を感じるだけ。

瞼がピクピクしてしまいそうだ。



ふと。

軽く、髪を触られる感触がした。

横髪を掬われて、耳元でサラリと髪が戻る感じがして。

くすぐったいと思うと同時に、児玉くんに触れられてるというのを見えてないぶん、感覚が研ぎ澄まされて感じる。



―――何してるんだろう。………いま目が覚めたふりしようかな。




そう考え、目を開けたのと。



「……ごめん、各務さん…」


という言葉の直後、おでこに感じる柔らかい感触と、視界いっぱいに広がる目を閉じた児玉くんのドアップがあって。


飛びこんできた光景に、思わずまた目を閉じた。


そのあと、児玉くんは私から離れ、前髪を撫でたあと、保健室から出ていった。


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