ニセモノ×初恋=??
サラリ。
なんだか、気持ちいい。
頭を撫でられるような、髪に触れられてるような。
スゴく、優しい手つきで。
「沙奈、具合どう?」
誰かの声が聞こえた。
「あ、まだ寝てる」
近くでもう一人の声が聞こえる。
ゆっくり目を開くと。
「あ、ごめん、起こしちゃった?」
目があったのは菜緒ちゃんだった。
隣には美波ちゃんがいる。
「……いま、何時?」
ちょっとまだ寝ぼけてる私は二人に訊ねる。
「もう全部課外終わったよ」
「え、うそ!」
思わずガバッと起き上がる。
「ホント。さっきの休み時間に行こうと思ったら先客がいたから、起こすのやめて引き返したんだけどさ、先生がいいって言ったから心配しなくていいよ」
「そのかわり追加課外だって」
二人の言葉に少しホッとした。
―――追加課外は別にいいから、先生が怒ってなかったならいいや。
そう思ったあと。
「――先客?」
さっき美波ちゃんの言葉に出てきたのがいまになって気になる。
すると、二人は目を合わせたあとニヤニヤしだす。
「なにその顔」
気持ち悪いくらいニヤニヤしてたから、ちょっと引きながら聞くと、
「誰だと思う?」
やけに意味深な感じで聞いてくる。
「え、わかんない」
素でそう答えると、
「わっかんないの~?」
「すごい心配してくれてたのに~」
ニヤニヤ顔のままで二人は言う。
そして、
「児玉くんだよ」
なぜか私の顔を覗きこんでいう菜緒ちゃん。