ニセモノ×初恋=??
「………各務さん、笑いすぎ…」

少し拗ねたような児玉くんがかわいくて。

「前、私ん家で爆笑したお返し~」

と言うと、それを思い出したかのような児玉くんの表情。

そのあと、児玉くんも軽く微笑んでくれた。

「帰ろっか」

「うん、一緒に帰ってもいい?」

「もちろん」

そんな会話をして。

二人とも靴を履き替えたのだった。




「児玉くん、今日、保健室まで一緒に行ってくれてありがとう」

駅に向かう帰り道、隣を歩く児玉くんにそういうと、

「大したことじゃないよ。わざわざお礼、ありがとう」

と言ってくれる。

そして、

「もしかして、それを言うためにさっき俺を追いかけてくれてたの?」

と聞いてきた。


「うん、そうなんだけど…」

それもあるけど。


よくよくかんがえたら、一番の目的は違うわけで。




「あの、児玉くん!」

「ん?」

優しい顔を向けてくれる。



「あ、あの……急に、ニセモノの彼女役、辞めてごめんなさい!!」


そう言って、その場で止まって頭を下げた。
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