ニセモノ×初恋=??
「脚、キレイですね~」

店員さんのお世辞に、

「ですよね?なのにデートするのにこの脚、かくすんですよ」

菜緒ちゃんがニコニコしながら話している。そして、

「これ着て帰りたいので、このまま会計してもらえます?」

「はい、もちろんです。タグをはずしますね」

「え!?菜緒ちゃん!?」

さっきから戸惑ってばかりだ。

そんなことお構いなしに、

「失礼しますね」

と店員さんは私の首もとに手を伸ばし、タグをはずしにかかる。


「すみません、これとこれも」

「美波ちゃんまで!?」


美波ちゃんの手には、かわいらしいサマーブーツと、リボンの付いたカチューシャ。

―――この二人、私をどうする気!?

焦る私。第一、

「いくらプチプラのお店とはいえ、こんなまとめて買えないって!」

ここでお金使いすぎたら、今日のお出かけ代がなくなってしまう。

だけど二人はニッコリ笑った。


「大丈夫。沙菜は払わなくていーの」

「何で!?」

「だって、私達、明日の沙菜の誕生日プレゼント買いに来たんだもん」

「は…?」

口をポカン、と開けると、

「そしたらちょうど沙菜に会ったし、この服と靴とカチューシャがプレゼント」

「何にしようか今から考えないと行けなかったから、ちょうどよかったよ~」

二人が交互に言ってきた。

「でも………」

「私達のときも共同でプレゼントくれたじゃん」

「それに、この3つでちょうど予算通りだったし」



そんなこんなやり取りをして、結局は二人からのプレゼントとして受けとることにした。
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