ニセモノ×初恋=??
――――はぁ!?

囁かれた言葉に、顔に血が集まりそうな感じがした。


誉めてくれたのは嬉しいけど、言われ慣れない言葉にどうしたらいいかわかりなくなる。


「………」
「………」


二人の間に沈黙が流れる。


やがて。


「えーっと、とりあえず行こうか……」

児玉くんがそう言ってきたので、

「はい…」

と素直に頷いた。


児玉くんは私の手を掴んだまま、駅に向かって歩き出す。


「ところでどこ行くの?」

私が尋ねると、

「俺が行きたいところに付き合ってもらう形になるけどいい?」

「うん」

「じゃあ着いてからのお楽しみで」

そう言って笑う児玉くんは、ちょっぴりいたずらっ子みたいな顔をしていて。

それがまた、反則なほど可愛かった。


イケメンな顔は反則だけど。

それ以上に、こうしたちょっとした仕草がカッコよかったり可愛かったり。


―――あー、好きって気付いてからは重症だわ……。


そしてさも当然のように手を繋いでいるのが、嬉しいような恥ずかしいような気持ちになった。
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