ニセモノ×初恋=??
至るところで水やミストが出るところがあり、そのたびにちょっぴり濡れたりしたが、暑さですぐに乾いていく。

だから濡れるのも気持ちよかった。




「次、あのアトラクション行こう!」

結局、私は凄い楽しんでしまい、あらゆるアトラクションに二人でチャレンジしている。

人も多いから待ち時間があるが、それでも優先パスポートをいくつか使ったりしているので、夕方から来たわりにいくつか乗って過ごした。



「楽しいねぇ」

アトラクションに並びながらそう言うと、

「喜んで貰えてよかった」

児玉くんが微笑んでくれた。

手を繋ぐのも当たり前みたいになっていて、私も気にしても仕方ないと、何も考えないことにした。


それでも、やっぱり周りの女の人達の視線がチラチラと児玉くんを見ていて、そのあと私を見てヒソヒソするのがちょっぴり心苦しい。


―――そりゃ、美男と野獣かもしれないけどさー……。


少し凹みつつ、それを考えていると、

「各務さん?どうかした?」

児玉くんが心配そうに覗き込んでくる。

「ううん、何でもないよ」

今はニセモノの彼女ですらないから、凹む権利もないことを思い出した。


そんな私の様子を知ってか知らずか、

「髪。頬っぺたに貼りついてる」

握ってる手の反対側の手で、私の髪を頬から取ってくれる。


―――何なんだ、この甘さは!!

言ったら自分で取るのに……。

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