ニセモノ×初恋=??
そして、みんなでドーナツを食べながら、夏休みのことや、学校のことをはなしたりした。

菜緒ちゃんはもともと他の人とすぐに仲良くなるタイプだが、田神くんと本当に出かけたりしたらしく、同じクラスではないわりには親密なのが驚いた。

「いつの間にそんな仲良くなってたんだか…」

私がポツリと呟くと、

「さすが、モテるイケメンは違うよねー、出かけても気遣いが半端ない」

菜緒ちゃんが感心している。

「そんなことないよ」

菜緒ちゃんの言葉に田神くんは手をヒラヒラさせる。

なので、

「あ、でも私もそう思った!モテる理由がわかったよ」

私もそう付け加えた。

その言葉に、

「へぇ?沙菜も田神くんと出かけたことあるんだ?」

美波ちゃんがツッコんでくる。

「出かけた訳じゃなくて、偶然会っただけ」

「そうそう。二人で出かけたりなんかしたら、樹に怒られる」

そう言って田神くんは児玉くんをチラリと見る。

その言葉に、

「えー?まさか意外と児玉くん、ヤキモチ焼き?」

菜緒ちゃんがからかうように言うと、

「………」

児玉くんは微妙な表情を浮かべた。

それを見て田神くんは、

「あー、ダメダメ。痛いとこツッコんじゃ」

と、ケタケタ笑った。

児玉くんは何か言いたげだったが、田神くんを軽く睨んでいる。

「まぁまぁ。沙菜ちゃんは俺のことなんて興味ないって。ね、沙菜ちゃん」

「あ、うん」

急にふられて思わずそう返事をすると、

「沙菜、返事はや!!」

菜緒ちゃん達が爆笑した。

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