ニセモノ×初恋=??
「へ?」

「凄かったって、沙菜何したの?」

言われた本人が何のことを言ってるかわからず、首をかしげた。

それを見て田神くんは優しい表情を浮かべる。

「俺と沙菜ちゃんが薫ちゃん達の話を聞いちゃったとき、あまりな内容の会話だったんだけど、それを聞いた沙菜ちゃん、手に血が滲むくらい我慢してたんだよ」

と言って、児玉くんの方を見た。

「樹が酷いこと言われてるのが許せなかったんだろうね。俺が怒りたいと思ったけど、堪えてる沙菜ちゃん見てたら、それを無駄にするわけにはいかないだろ」

「そんなことあったんだ… 」

「………沙菜らしいね」

二人はそう言ったが、児玉くんは目を丸くしていた。

その表情に気付いた田神くんは、

「どうした?樹」

と、アイスコーヒーを飲む。

「ヒロト、俺にはその話、しなかったよな」

「だっけ?」

「薫が婚約って嘘を各務さんについてたってのしか聞いてないぞ」

そう言ったあと、

「ごめん、各務さん。ありがとう」

と言ってくれた。
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