惑わしの5days
んでそのまま、ポンポンと頭を撫でられる。


長い髪が実はウィッグだってバレちゃうかもしれないなんて、考えるヒマは無かった。


「どういう雰囲気になろうと、田薮は田薮だろう。オレはおしとやかな田薮でも、全然いいと思うぞ」


そう言って白い歯を覗かせて笑う冴城君の短めの黒髪が、風に吹かれて上下に揺れる。


――――ドキ…ン…


“入れ替わりがバレちゃったのかもしれない”とビクビクして慌ただしく動いていた心臓が、違う意味で跳び跳ねた。


ア、アレ?


この感じ…昨日図書室でも似た様な感覚に遇ったよね……?私……
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